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ドイツ訪問で感じたこと ―労働組合について―

12年ぶりのドイツ訪問

 令和の時代がスタートした。2019年4月30日に「平成」が終わり、5月1日に新たな元号「令和」が始まった。「令和」には「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ。梅の花のように、日本人が明日への希望を咲かせる国でありますように」という意味や思いが込められているそうだ。皆さんはこの歴史的な時をどのように過ごされたのだろうか?  それぞれに、色々な思いを巡らされたと拝察する。 残念ながら私は、その歴史的場面を見ることはできなかった。というのも、4月28日から5月3日の間、「インダストリー4.0 労働の未来」をテーマに現地の労働組合と意見交換をするためドイツを訪問していたからだ。IGメタル本部、エリコン社、ボホム大学職業訓練センターを訪問させていただくとともに、ドルトムント市のメーデーに参加させていただき、大変有意義な意見交換を行うことができた。私なりの気づきが多くあったので、3回に分けて報告させていただきたい。初回となる今回は「ドイツの労働組合」について報告させていただく。

ドイツの労働組合

 今回訪問したドイツ金属労働組合(IGメタル)は、「金属業」「鉄鋼生産業」「金属取引業およびサービス」「繊維・被服業および関連サービス」「木材・プラスチック加工業」の産業部門をまとめた組織であり、日本における金属労協と思っていただければよいと思う。組合員数は約225万人(2010年)であり、日本の金属労協の組合員数が約250万人であることからしても、親和性を感じる。ただし、組合員は任意加盟であり、移民労働者約9%、失業者約10%、退職者約23%なども含まれている。また組合費は、月々の給与総額の1%ということだった。そして労働協約は、ドイツ国内の複数地域における業界団体との団体交渉を実施して締結されている。労働協約の範囲は、産業部門は上記の通りであり、地域はドイツ全体・団体交渉地域・個々の企業、有効となる対象者は全ての組合員・使用者団体に属する全ての企業・労働協約を有する全ての企業ということである。

 ドイツには、労働組合とは別に、工場レベルでの従業員代表制度が法律で定められており、各工場に「事業所委員会」の設置が義務付けられている。従業員数に応じて事業所委員会の委員数も決められている。今回訪問したエリコン社(化学繊維)は従業員数1300人で、15人の委員選出が義務付けられており、内4名は専従であった。ちなみに専従4人の賃金は会社が支払っているとのことだった。この「事業所委員会」は、組合員だけでなく、当該企業の全従業員の利益代表であり、主な役割は、「法律」「規制」「健康安全措置」「労働協約」「事業所協定」の徹底となっている。また、「日々の業務の始終業時間」「給与体系の決定、適用と修正」「出来高払いの賃金と賞与」「勤務態度と業務効率の監督」「従業員の転勤や解雇」「職場の健康と安全」「福利厚生施設の環境と運営」「経営上の変更事項(利害調整)」などについて共同決定権を持っている。1つの企業内に複数の事業所委員会があれば、中央事業所委員会が設置され、企業グループに複数の中央事業所委員会がある場合は、グループ事業所委員会を設置しなければならない。特徴的なのは、各事業所委員会が主軸であり、中央やグループの委員会の下部組織ではないという点である。

 そして、IGメタル(労働組合)と事業所委員会は互いに協力関係にある。企業内における組合代表者は、IGメタルの規則に従って選出(1名/5~20名)される。そして組合代表者全員ではないが、多くが事業所委員会の委員を担っているとのことである。先ほど紹介したエリコン社事業所委員会では、「労働とイノベーション」「新賃金制度」「託児所の設置」などを重点課題に取り組んでいるとの報告を受けたが、とりわけ「労働とイノベーション」については、IGメタルの方針に沿って労使が協力して取り組んでいるとのことだった。

労働組合が果たしている社会的責任

 話は横道にそれるが、4年ほど前に電機連合組織内議員団をドイツに派遣したことがある。目的の1つが、「インダストリー4.0」についての視察であった。帰国後の報告を聞いて大変感銘したのは、ドイツのGDPは、米国、中国、日本に次いで第4位であるが、経済の好循環実現で2014年度に新規国債発行ゼロ(1969年以来45年ぶり)を達成したことである。なぜ、そうなったのか? それは、社会保障改革を断行したためで、改革案策定に政労使が徹底的に論議した成果であるとの報告だった。労働組合がまさに社会的課題に対して、その役割と責任を果たしている姿に感銘をしたことを覚えている。

 「インダストリー4.0 労働の未来」については、次回報告させていただきたいと思っているが、IGメタルには強い危機感と使命感、現場を大事にする姿勢、そして政治を動かす力を感じる。労働組合の成り立ちや社会的位置付けにおいて、日本との違いは当然あるが、社会的責任を果たしている姿には、素直に敬意を表するし、負けてはいられないという思いもある。労働組合として果たすべき責任や使命感を改めて感じている。

中央執行委員長 野中 孝泰

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