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英国のEU離脱問題に思うこと

中連懇話会で英国を訪問

 9月12日から16日にかけて中連懇話会(以下、中連懇)の皆さんと英国を訪問した。中連懇は、「春闘時の情報交換」「政策制度課題の解決に向けた連携」「海外視察」などを通じて、産業別労働組合の枠を超えた様々な課題に対する意見交換の場となっている。今回、英国を訪問した目的は、英国のEU離脱交渉の現状や結果がもたらす影響の学びと、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、ロンドンオリンピックからの学びを得ることであった。参加者は、生保労連、全電線、セラミックス連合、電機連合の組織代表者4名である(諸事情で、全国ガス、全建総連の参加は叶わなかった)。在英国日本国大使館には電機連合出身の石原さんが一等書記官として勤務しており、大使に面会の機会を設定いただいた。大使にはご多用の中、貴重な時間を多く割いていただき、貴重なお話を伺うことができ有意義な意見交換となった。あらためて感謝申し上げたい。

英国のEU離脱交渉の現状

 在英国日本国大使館でお聞きした、交渉状況についてまず報告させていただく。

・2017年3月29日 欧州連合条約第50条に基づく離脱通知(英国→EU)。原則2年後(2019年3月)に離脱
・2017年12月15日 欧州理事会は、離脱交渉の第一段階の進展を歓迎。交渉は第二段階に移行
・2018年3月19日 離脱協定(案)部分合意(移行期間に関する取り決め含む)
・2018年3月23日 EU側は、将来関係に関する追加指針を採択
・2018年7月12日 英国側は、将来関係に関する白書を発表

 予定では、2018年10月開催の欧州理事会にて交渉は終了するとのことだった。しかし、実情は大変難航しているようだ。イギリス国内における北アイルランドの取り扱いの問題や、EUとの将来関係に関する大筋合意ができたとしても、それが英国内の議会で同意を得られるか予断を許さない状況であるとのことだった。事実、帰国後に10月の合意延期が報道されていたので、離脱交渉が順調には進んでいないことをあらためて実感した次第である。また、欧州連合条約第50条の定めによる2019年3月の離脱に向けては、遅くとも11月には合意しなければならない、とも聞いた。もし合意が間に合わなければ何も取り決めないままでの離脱となり、英国内外の混乱も予想されるとのことだ。

感じたこと

 英国のEU離脱は国民投票で決めたことであり、その決定を尊重したいと思う。しかし、その後の状況は、大変失礼な言い方だが、ゴタゴタしている様に見えて仕方がない。あらためて冷静に考え、取り返しがつかない状態になってしまったと思っている国民も多くいるだろう。国を二分する結果を招いてしまっている責任は誰がどのように取るのだろうか? 全ては国民が決めたことと言えばそれまでだが、国を正しい方向へ導く責任は、やはり政治を司る者にこそあるのではないだろうか。

 衆議院憲法審査会の国民投票制度調査議員団の報告書(2017年11月)によると英国のEU離脱を決めた国民投票について、2点の指摘がされている。1点目は、国民投票が時の政府の賛否投票に繋がりがちであり、慎重にされるべきということ。2点目は、国民投票をする場合、国民にそれが何の事項についての投票なのか、きちんと理解して投票してもらうべきであり、単なる賛否であってはならないということである。まさにその通りであり、国民投票の難しさでもあると感じた。

日本を経営するという発想

 話は変わるが、過日、久し振りに松下政経塾を訪問した。その際にいただいた本『松下幸之助が考えた国のかたち』(2010年、松下政経塾編)の中に、大変共感した文章があったので紹介したい。それは「経営なき国の運営から生まれるのは、国民の意識がそれぞれの自己主張のままにまとまりを欠き、個々の国民活動の成果が効率的に活かされず、人心が乱れ、社会が混乱、混迷するという国の姿である」というものである。国を経営するという発想は大変分かりやすく腹落ちした。その上で、「国民それぞれにさまざまな価値観があり、意見がある」だからこそ、「お互い日本人が、その置かれた国際的立場を十分に認識し、共通目標の必要性を強く自覚して、私心を離れて我が国の将来がいかにあるべきか?」を考えることの大事さと「政治家の真のリーダーシップの発揮」の必要性が訴えられていた。この本が書かれたのは、昭和57年前後であり、今から40年弱前のことであるが、現在の日本にこそ通じる大事な考え方だと共感した。

真の国民参加の民主政治を目指して

 英国のEU離脱問題は対岸の火事ではなく、私たちのこととして考えなくてはならないのではないだろうか。日本も持続可能な社会に向け、国のかたちの再構築が必要であり、今後進むべき針路を決めなくてはならない極めて大事な時を迎えていると言っても過言ではないだろう。日本は国民主権の国であり、これからの日本を正しい方向に向かわせる責任が私たち国民にはあると思う。そのためには、国民一人ひとりが政治への参画意識を高め、国民参加の民主政治の実現に取り組まねばならないとあらためて強く感じている。日本を分断社会にしないためにも、多様化する価値観や考え方の違いを認め合いながら、いかに全体をまとめていくのかが問われている。政治の真のリーダーシップの発揮を期待したい。

中央執行委員長 野中 孝泰

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