電機連合

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電機連合の基本理念や運動方針など、電機連合のWhat's!にお答えします。

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社会的責任型春闘

中闘組合の回答が出揃う

 新型コロナウイルスの影響が、まさに私たちの「生活や仕事」、そして「企業や経済」に多大に出ています。それぞれの組織・労使におかれましては、2020年闘争と並行して様々な取り組みをされていることと存じます。まずは心から敬意を表したいと思います。命を守るため、私たちにできることを着実に行い、この見えざる敵に必ず勝ちましょう。

 さて、3月16日に開催した第5回中央闘争委員会で、全ての中闘組合の集約意向を確認しました。世間の相場感が全く見えない、むしろ日増しに状況が悪くなる、そんな緊張感が高まる中で引き出した回答です。個別企業労使の真摯な交渉と労使それぞれの英断に心から敬意を表すとともに感謝を申し上げます。

記者会見でのご質問

 先日、記者会見の中で、ある労働ペンクラブの方からこんな質問をいただきました。「歴史と伝統ある電機連合統一闘争において、今回の妥結結果は大変評価している。一方で、異例の『以上』は結果として妥結のバラツキを生み出し、今後の統一闘争の柔軟化にもつながったのではないか? 新方式の産別統一闘争への変化といえるのか? 評価と今後の対応を聞かせていただきたい」というものでした。長年にわたり、電機連合を見ておられる経験からのご質問であり、大変ありがたく思いつつ、以下のようにお答えいたしました。

(1) 『以上』をつけた思いについて

 今回の闘争では、先行きの不透明感が増す中で慎重姿勢を崩さない経営側に対して、「生活、雇用、将来」3つの不安の払拭に向けて、さらには電機産業で働く魅力を高め、仕事に対する誇りや挑戦する姿勢を引き出すには、月例賃金の引き上げによる生活水準の維持・向上は必要不可欠であることを訴えていました。また、賃金は生活に直結しており、最も大事な「人への投資」であることを強く訴え、回答の引き出しを迫っていました。

 しかし一方で、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が増す中、この見えないウイルスから命を守る取り組みや、日本経済の落ち込みに対する取り組みなど、まさに非常事態における対応が求められている状況がありました。日を追うごとに経済の下振れ懸念が広まり、賃上げに対する世間の相場感が全く見えない中で、電機労使の主体的な決断で、相場形成に対する役割と責任を果たし、早期に闘争の決着を図ることが求められていると強く感じていました。

 今回、最終戦術方針を『1,000円以上』と提案した思いは、中闘各組合の結束により全体として何としても積み上げなければならない「昨年同額」を確保することにありました。この水準は、世の中に下振れ懸念が広まる中での、まさに歯止めであり、電機連合統一闘争としての底上げ・波及効果に資する水準であると考えました。

 そして、『以上』をつけた思いは、昨年水準を確保したうえで、上に行けるところは上に行くことを認め合うことで、非常事態と言っても過言ではない状況の中で、社会的要請にも応えたいとの思いからです。このことが実現できたのは、労労間・労使間の信頼に基づいた電機統一闘争の決断として、電機労使の社会的責任と役割を果たしていくという強い思いからでした。

(2) 統一闘争の今後について

 統一闘争の今後については、そもそも「統一とは何か?」ということだろうと思います。長年「同額」決着ということで歴史を積み上げてきました。その結果、社会的にも認知される統一闘争になっていると思います。しかし今回は、『1,000円以上』ということを「統一の考え」にしたということです。なぜ、そうしたかは先ほど申し上げた通りです。まずは、やってみる価値があると考えました。その結果、上に行く組織が出ることになるかもしれない。バラツキが出ることを乗り越え、上に行けるところがあれば行く、という事を大事にしました。もちろんこのことが統一闘争として、どう評価されるのか? ということがありますが、まずはやってみる。そして総括をする。そして次につないでいく。そう考えています。

春闘の質的転換

 1956年からスタートした春闘は、今年64歳です。また電機連合統一闘争のスタートは1962年ですから、今年58歳となります。回答指定日(3月11日)の翌日の新聞記事で、その多くが「ベアゼロ」を取り上げ、「春闘の変化」を取り上げていたように感じました。私自身、春闘という仕組みを上手に使って個別企業労使だけでは解決できない社会的課題の解決にもつながる「社会的責任型春闘」にして行かねばならないと考えています。私見ではありますが、思うことの一端を申し上げたいと思います。

 人口減少、超少子高齢化、生産年齢人口減少が進む日本の最大の課題は、持続可能な社会を再構築することだと言っても過言ではありません。このことは、現代を生きる我々世代が担う未来への責任だと思います。

 では、持続可能社会の再構築に向けてどんな視点での論議が必要なのか?

 1点目は、日本経済の自律的な成長という視点です。世界情勢の不確実性が高まる時代だからこそ、個人消費に支えられた日本経済の基盤を再構築しなければなりません。

 2点目は、社会保障制度の持続可能性という視点です。年金、医療、介護を含む福祉、そして子ども・子育てに関する社会保障は国民にとって安心を担保するものであり、持続可能な社会保障制度となるよう、給付と負担の両面からの見直しが必要です。

 3点目は、社会全体の生産性向上の視点です。能率や効率に偏重したものではなく、「生産性運動3原則」による生産性向上にしなければなりません。3原則とは、「雇用の維持拡大」「労使の協力協議」「成果の公正分配」ですが、持続可能な社会の再構築に向けた日本の基本的考え方として位置付け、この3原則に沿った行動が必要です。

 4点目は、電機産業の持続的成長という視点です。誤解を恐れずに申し上げるならば、雇用の維持・拡大、労働条件の維持・向上も母体の企業が健全に経営されていなければ実現できません。第4次産業革命が起こすいろいろな変化にも、主体性を持って挑戦しなければなりません。そして何よりも大事なのが競争力の源泉である「人材」です。一人ひとりの労働者の働きがいを高め、いきいきと働くことができる環境整備は、労使の使命だと思います。

 もちろん、組合員の労働条件の維持・向上を目的とする労使交渉は、労働組合にとって大事であることに変わりはありませんが、電機産業で働くすべての労働者、企業内の最適化だけではなく、社会の構成員としての役割と責任もまた大事になっているのだと思います。そういった意味で、「社会的責任型春闘」という言い方をさせていただきました。今次闘争におきましても、未組織労働者の処遇改善につながる産業別最低賃金の引き上げについて、7年連続で引き上げることができたことも報告させていただきます。

改めて感じる統一闘争の意義

 以上申し上げてきたような認識の中での、電機連合統一闘争です。「統一闘争とは何か?」と問われれば、「それは信頼だ」とお答えしたい。電機連合統一闘争は、先人たちの努力の積み重ねで築かれた労使の信頼関係によって成り立っています。そして、その存在意義は「労働条件の維持・向上」と「波及効果の最大化」、そして今はまだ進んでいませんが「格差改善」です。2020年闘争では、産別・個別企業それぞれの労使交渉の場において、いろいろな視点で協議ができたと思っています。変化に怯まず、むしろチャンスと思い、高い志を持って果敢に挑戦する。そんな統一闘争のさらなる進化を願っています。

中央執行委員長 野中 孝泰

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