1.使用者が一方的に労働条件を切下げることができる労働契約上の根拠がない場合、労働条件を切り下げるためには労働者の同意が必要です。同意によらない使用者からの一方的切下げに拘束力はありません。
2.同意を迫られた場合でも、同意する義務はありません。
3.法令、労働協約、就業規則に反する同意は無効です。
4.同意に意思表示のかし瑕疵があれば、無効や取り消しを主張できます。
使用者が一方的に労働条件を切り下げるためには、そのようなことができる労働契約上の根拠が必要であり、かつ切り下げが権利濫用にならないことが必要です。労働契約上の根拠が無い場合や、労働契約上の根拠があっても権利濫用にあたる場合は、切り下げは無効となります。
このような場合に労働条件を切り下げるためには、労働者の個別同意が必要であり、個別同意の無いままに使用者が一方的に労働条件を切り下げても、その切り下げは無効となります。よって、その場合は労働者は従来の労働条件に基づく契約の履行を求められることになります。