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おたすけマニュアル

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(5)年俸制による賃金切り下げ

1.「年俸制」といっても一義的な定義があるわけではなく、実態はピンからキリまであります。
2.使用者が「年俸制」だといっているものの効力は、具体的ケースごとに判断する必要があります。

1.「年俸制」とはこのところ、導入されている「年俸制」の内容は多種多様になっています。最大公約数的な「年俸制」の要素を挙げれば次のようになります。

・賃金の全部または相当部分が年単位で決められる。
・年齢や勤続年数により算定されていた定額の年齢給・年功部分が廃止されているか、もしくは大幅に縮減されている。
・労働者の業績や能力レベルが賃金額決定の基準になるとされている。

2.適正な「年俸制」とは

a.導入の適法性

年俸制の導入は、賃金決定に関する基本的な仕組みの変更であり、しかも賃金という最も基本的な労働条件の変更であるので、使用者が一方的に導入し適応しうるものではなく、導入・適用には労働者の個別同意が必要と解すべきです。
賃金の決定、計算および支払いの方法は就業規則の必要記載事項です。(労基法89条1項2号)よって、年俸制の導入には、就業規則変更手続が必要です。 労働協約で賃金決定の仕組みを定めている場合には、労働協約適用者に年俸制を導入するには、当然労働協約の改定が必要になります。

b.制度内容の合理性・適法性

・適用対象の限定
年俸制が個々人の業績を賃金決定の基準にするならば、その適用対象者は、個々人の業績が専ら個々人の業務上の能力や努力により左右できるような職種や職務上の地位にあり、個々人が業績に対する責任を直接賃金面で負わされることが正当化されるだけの権限・裁量を与えられている労働者であることが必要であり、それが明確化されている必要があります。
・賃金決定基準の明示と合理性・明確性
決定基準は、予め明示されていることが必要であり、その基準は客観的・合理的で明確なものでなければなりません。また、客観的・合理的かつ明確な業績評価基準と評価方法も制度化しておかなくてはなりません。
金額的決定基準や評価基準・評価方法は、職種ごとにきめ細かく定められるべきである。年俸額の変動幅は、予め年俸表等により明示されるべきであり、具体的にどのような場合に変動幅の中の下位に位置付けられるのかも明示しておく必要があります。業績評価は業務上の成果・結果に対する評価であり、全人格的な企業忠誠度・企業従属度は評価要素から排除されるべきです。
・公正な評価・決定の担保
・評価の説明と異議申立制度
・最低補償額の設定

c.制度運用の適法性

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