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おたすけマニュアル

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(1)合併(事業統合)→包括承継

1.合併とは、2つ以上の会社が契約により1つの会社になることです。
2.合併には、吸収合併と新設合併がありますが、ほとんどは前者です。
3.会社の合併が行われると、合併前の労働者の地位・労働条件は包括的に、存続会社(新設会社)に包括的に承継されます。
4.合併の結果、複数の就業規則や労働協約が併存することになる場合に、労働条件の調整・変更が問題となります。この場合、労働協約、就業規則の不利益変更の一般問題と同じに考えることになります。

合併には、吸収合併と新設合併があります。新設合併は合併の当事者である全ての会社が解散し同時に新しく会社を設立(新設会社)する形態です。吸収合併では、合併当事者である会社のうちの1社(存続会社)が合併後も存続し、他の解散する当事者の会社を吸収する形態です。存続会社(新会社)は、合併時に合併により消滅する会社の全ての資産・負債、権利義務を継承します(商法416条・103条)。

1.労働契約の包括承継と雇用の承継

合併では、新設であれ吸収であれ、合併前の会社の権利義務が包括的に承継されて、合併前の会社と労働者の労働契約は、当然に、包括的に、存続会社(新会社)に承継されます。その結果、労働者の承諾の有無にかかわらず、労働契約は同一の労働条件で存続会社(新会社)に承継されます。労働協約についても同様に承継されます。
例えば、吸収合併の直前に解雇された労働者が、存続会社を相手に、地位保全の仮処分を求めたケースで、権利義務関係が包括的に承継されて、労働契約関係もそのまま承継されるとして、存続会社に賃金支払いを命じました。解散会社の解雇が無効であれば、存続会社にその地位が承継されるとしました。また、存続会社が解散会社の従業員の選考試験をして、合格者のみを雇用することも許されません。
なお、合併先に移ることを望まない労働者には、労働契約を解約する自由があります。

2.合併に伴う労働条件の不利益変更

合併後の存続会社(新会社)では、複数の労働条件が並存することが起こり得ます。異なった労働条件が並存する状態を解消するために、さまざまな労働条件の調整を行うことになります。調整の方法として、(ア)全て高い方の条件に合わせる、(イ)トータルとして不利益にならないように調整する、(ウ)全て低い方の条件に合わせる、の3通りが考えられます。普通は(ア)か(イ)になることが多いのですが、(ウ)の場合は、労働者に一方的に不利益を押し付けるものとして、そもそも合理性を有しないものと考えられます。
このような労働条件の調整は、就業規則や労働協約の改定によって行われることになります。この調整過程で労働条件が切り下げられると、就業規則、労働協約の変更による労働条件の不利益変更の一般理論が適用されます。

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