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おたすけマニュアル

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(2)営業譲渡(事業の売却、事業の統廃合による資金回収)→特定承継

1.営業譲渡に際して、雇用責任を譲渡先・譲渡元のいずれに求めるのかの選択が重要。
2.譲渡先の雇用責任について
(ア)経営主体が同一の営業譲渡では、経営主体同一説、法人格否認の法理、使用者概念の拡大による不当労働行為責任などを根拠に追求します。
(イ)経営主体の変更を伴う営業譲渡では、当然承継説や包括的合意説などを根拠に追及します。
3.譲渡元の雇用責任を追及する場合、転籍には本人同意が必要という法理があります。

営業譲渡とは、「一定の営業目的のために組織され、有機的一体として機能する財産の全てまたは重要な一部を譲渡」することです。
営業譲渡と会社分割は、いずれも営業を単位に権利義務関係が承継される点で共通していますが、前者は取引行為、後者は会社の組織上の行為という違いがあります。権利義務の承継についても、合併の包括承継、会社分割の部分的包括承継と区別して、営業譲渡は一般的には特定承継(当事者間の合意に基づき特定されたものが承継される)と解されています。

1.雇用責任を追求する相手

営業の全部を譲渡するなどして譲渡元企業が実質的に消滅する場合には、一般的には譲渡先の雇用責任を追及します。ただし、実体のない会社や著しく経営基盤の脆弱な会社に、その営業を全部譲渡して労働者を切り捨てようとする場合は、譲渡元の雇用責任を追及することになります。
一部譲渡の場合は、企業経営や雇用の安定度、労働条件の維持などの要素を勘案して、雇用責任を追及する相手を決めることになります。

2.営業譲渡と労働契約不承継条項

最近、営業(事業)譲渡契約書の条項中に「雇用は承継しない」との労働契約不承継を明記する事案(全員解雇・新規採用型)が登場して、労働者の雇用を脅かしています。労働契約不承継条項を克服し、譲渡先に雇用責任を認めさせる法理の確立が急がれます。労働契約不承継条項は雇用の安定を著しく損なうため、解雇権濫用の法理や整理解雇の法理を潜脱するものであり、公序に反して無効と考えるべきです。

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