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おたすけマニュアル

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(4)破産

1.破産手続は、裁判所が選任した破産管財人が不動産などの会社財産を売却したり、債権を回収して会社財産を現金化して債権者に適正に配当する手続です。
2.破産管財人は、破産宣告前に会社財産を不当に減少させる行為(例えば、不当に安い価格での会社財産の売却、一部債権者への不当な返済や担保提供など)があった場合も、その行為の効力を否定して減少した財産を回復する権限(否認権)も有しています。従って、労働債権確保のために破産手続が有効な場合もあります。
3.破産手続における配当手続には相当長い期間がかかるので、早期に労働債権を支払うよう破産管財人と粘り強く交渉すべきです。 4.破産手続は会社の清算を目的とするから、労働者の雇用は失われるのが原則です。

破産とは、弁済能力の欠如のために、債務者が弁済期にある債務を弁済することができないか、債務額の総計が資産額総計を超過している状態をいいます。破産手続は、こうした場合に、債権者の個別の権利行使を制限しつつ、破産者の総財産を換価し(会社事業の解体・清算)、債権者に対して公平な配分を行うことを目的とする手続です。破産宣告と同時に破産管財人が裁判所に選任され、破産者も破産債権者のほか多くの利害関係人の利害を調整しながら破産手続を進めます。当然、利害関係人には労働債権を有する労働者も含まれます。

【1】労働債権

破産宣告前に発生した賃金債権(未払い賃金債権)について、株式会社、有限会社等の場合には全額優先的破産債権となります(商法295条1項)。
破産宣告後に発生した賃金債権は、破産管財人から解雇された場合には、解雇予告期間の賃金は、財団債権となります。
退職金については、就業規則、労働協約で予め支給条件が定められている場合には、賃金の後払いであり労働債権です。破産宣告前に解雇され、あるいは退職して発生した退職金債権は、労働債権と認められる株式会社、有限会社等の場合には全額優先的破産債権となります。

【2】労働者の雇用

破産宣告がなされれば、宣告と同時に裁判所によって選任された破産管財人は労働者全員を解雇するのが一般的です(民法631条)。

【3】労働者・労働組合の取り組み

会社の破産申立の情報を事前・直後に察知したら、直ちに裁判所へ上申書(雇用確保や破産に対する組合の意見など)を提出し、組合からの意見聴取を裁判官に求め、各種協定の締結や会社財産の散逸防止の取り組みを行います。

【破産手続の流れと労働者・労働組合の取り組み】

【労働者・労働組合の取り組み】
1.労働債権は債務弁済禁止命令から除外されるのが一般的であり、賃金などの支払請求をする。
2.組合つぶしや偽装倒産の疑いがある場合は、破産宣告に対すの即時抗告の申立をする。
3.労組法上の使用者に該当する破産管財人へ交渉を申し入れ、組合の意見・要求を説明し、組合事務所や職場使用の確認了承を求める。
4.労働債権(未払い賃金、退職金)について、期限までに所定の債権届出書を裁判所に提出する。
5.第1回債権者集会には、労働者・労働組合も債権者として出席し、組合の要求・方針を説明したり、意見を述べる。
6.債権調査期日にむけ、組合員の労働債権に異議の存否を管財人に確認し、疑問には事前に説明・交渉する。

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