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第68回定期大会 委員長挨拶

全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会
中央執行委員長 野中 孝泰
2020年7月9日

はじめに

 電機連合第68回定期大会にご参加の代議員ならびに評議員の皆さん、さらには傍聴でご参加の皆さん、大変ご苦労様です。本大会は、新型コロナウイルス感染防止のため、開催期間を短縮したことに加え、電機連合史上初のオンライン(WEB会議)システムを活用した大会とさせていただきました。また、例年ですと多くのご来賓の方々、名誉顧問・政治顧問の皆様、歴代役員懇談会幹事の皆様、そして議員団幹事の皆様にもご参加をいただいていますが、感染防止を最優先し、今回はお声がけを控えさせていただいています。今回の大会は、開催時間を大幅に短縮したことに加えて、オンラインでの大会ということもあり、皆様方には何かとご不便をおかけすることもあるかとは思いますが、スムーズな運営にもご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 まずは、九州地域を襲った豪雨による災害で尊い命が奪われましたことに、心からの哀悼の意を表すとともに、被災された方々にお見舞いと1日も早い復旧復興をご祈念申し上げます。初動調査では、組合員全員の安否確認が取れ安心もしましたが、全壊を含む家屋被害や車の浸水などが多数出ていると報告されています。新型コロナウイルスの影響もあり、現地での対応もより大変だと思いますが、電機連合としても地協と連携をとって対応にあたりたいと思っていますので、よろしくお願いします。

 既にご案内の通り、本大会を機に新しい執行部体制がスタートすることになります。皆様のご協力のもと新執行部の船出にふさわしい大会にしていきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いします。

時代認識について

 さて、本来であれば「私たちを取り巻く情勢」や「運動方針提案に対する思い」また「闘争関連に対する思い」などを申し上げるべきではありますが、時間の関係上、そのすべてをこの後の議案提起に譲らせていただきたいと思います。私からは、時代認識としての「アフターコロナの社会と労働運動」ということについて思うところを申し上げ、挨拶に代えさせていただきたいと思います。

(1)新型コロナウイルスでの気づき

 まずは、新型コロナウイルス感染防止の取り組みを通じての気づきについて触れたいと思います。緊急事態宣言が発令され、人とモノが止まった社会は私たちの生活や仕事に多大なる影響を与えました。同時に、今後に向けて考えなくてはならない様々な課題を投げかけたと思います。「自分にとって何が重要で、何が重要でないのか?」今まで重要と思っていたことが実はさほど重要ではなかったと感じた人も多くいらっしゃったのではないでしょうか?

 たとえば「仕事」。在宅勤務や外出自粛を体験し「出社するのが仕事」という価値観は大きく変わり、「どういう役割や責任を果たすのかが大事なのだ」と思った人は多いと思います。その一方で、改めて「対面」の必要性や重要性についても考えることになったのではないでしょうか? そして仕事に限らず、自らを見つめ直す機会にもなったと思っています。

 また、私たちが普段生活を営んでいる「社会のあり方」についても考えさせられました。「社会」とは「人間の共同生活の総称であり、人間の集団としての営みや組織的な営み」という意味ですが、私たち一人ひとりがその「社会」と繋がっていること、そして「社会」の構成員としての役割を果たし、責任があることなどについても考える機会となりました。私たちが外出を自粛し、在宅勤務をしているその最中も医療従事者のように他人の命を救うために闘っている人たちがいます。人々の日常生活を守るため懸命に働いている人たちがたくさんいることを忘れてはなりません。「一人ひとりが社会を支え、またその社会によって支えられている」ということだと気づいた人も多いはずです。

 新型コロナウイルス感染防止に向け数々の対策が実施されましたが、大変多くの課題も顕在化しています。まだ対応は続きますが、この経験を教訓として次に活かす必要があります。自然災害に対する取り組みも含め、日本の危機管理を強固なものにするための具体的な取り組みが必要だと考えています。

(2)アフターコロナの社会と労働運動について

 「アフターコロナの社会と労働運動」について思いを述べさせていただきます。
世界に先駆けて進行する人口減少、超少子高齢化、そして生産年齢人口が毎年減少している日本の最大課題は「持続可能な社会の再構築」と言っても過言ではないとこれまで機会があるたびに申し上げてきました。とりわけ、社会保障制度の再構築は先送りできない課題です。さらに、1,000兆円を超える国の借金問題、雇用労働者の4割を占める非正規雇用問題、DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応、人生100年時代への対応、エネルギー政策や環境問題など多くの社会課題に対して、将来を見据え、現実的視点に立って進むべき方向性を私たちは見出さなければなりません。持続可能な社会の再構築に向けた「労働組合の社会的責任」は極めて大きいということをまず申し上げたいと思います。そして、政治に対する関心が非常に高まっている今をチャンスと捉えて、国民参加の健全な民主政治を実現しなくてはならないと考えています。

 アフターコロナの社会は、ウィズコロナの社会でもあります。感染予防と社会・経済活動の両立ということを意識しなくてはなりません。「密閉」「密集」「密接」の三密を避ける「働き方」や「働く環境」そして「生活習慣」の見直しが必要です。また、第2波やインフルエンザシーズンの到来を念頭に置いた備えをする必要があります。そしてこのことは、労働組合の活動においても言えることだと思います。三密を避けた運営の見直しやICTの利活用は必至です。その一方で、Face to Faceでの対話を大事にした取り組みも必要です。ツールや運営は変わっても、その根底には「組織強化を図り、組織力の向上に繋げる」という強い思いがあることを共有しておきたいと思います。

 アフターコロナの社会は、元の社会の姿に戻るというよりは、個々人の価値観や行動が変わる社会になると考えます。ICTの利活用がより活発になりデジタル社会の到来がより加速化するでしょう。本日の大会で体験しているように、これから訪れようとしているデジタル社会は「時間と空間を超えてリアルタイムにオンラインで繋がっている社会」です。皆さんとの距離が圧倒的に近くなるということでもあります。言葉の壁もいずれなくなり世界がもっと近い存在になります。その社会を支えるのが私たちの「電機産業」であり、そこで働く「人」であります。新たな事業の創造にも繋げていきましょう。

 まさに今、大きな変化の時代を迎えています。しかし、時代がいかに変わろうとも、「人を大事にする社会」であって欲しいと願っています。この度の新型コロナウイルス感染防止の取り組みをとりましても、強制ではなく、自らの行動を自らが律したものでした。フランスの経済学者ジャック・アタリ氏の話を紹介します。「日本は危機対応に必要な要素、すなわち国民の結束力、知力、技術力、慎重さをすべて持った国だ。新型コロナウイルスの危機が終わったとき日本は国力をさらに高めているだろう」。私はこの言葉に大変勇気づけられました。やはり、日本が他国に誇れるのは「人」なんです。日本を支える一人ひとりの「人」が、仕事に働きがいを感じて働き、それぞれが持っている無限の能力を発揮できる社会、つまりは、「人が活きる、人を活かす」社会であり、企業であり、職場を創っていくことが労使の使命であると思います。

むすび

 挨拶を締めくくるにあたり、私ごとになり恐縮ですが、今大会を持って退任させていただきます。歴史と伝統ある電機連合の委員長として4年間、その重責を何とか果たすことができましたのも、電機連合運動に関わるすべての皆様のご指導・ご支援のお陰です。心より感謝申し上げます。皆様には引き続き、本日選出が予定されています神保新委員長のもと、新生電機連合一丸となって未来を切り拓いていただきたいと願っています。

 初めてのオンラインでの大会ではございますが、皆さんのご協力により記憶に残る立派な大会にしていただきたいことをお願い申し上げ、大会冒頭の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。