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第106回中央委員会 中央執行委員長挨拶

第106回中央委員会 中央執行委員長挨拶

全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会
中央執行委員長 野中 孝泰
2020年1月23日

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はじめに

 電機連合第106回中央委員会に全国各地からご参集いただきました皆さん、大変ご苦労様です。また、大変ご多用の折、本中央委員会の激励のため、金属労協から髙倉明議長、国民民主党からは社会に貢献する電機産業を考える会の榛葉賀津也参議院議員、そして矢田わか子政治顧問にお越しいただいています。また明日は、国民民主党の玉木雄一郎代表、浅野さとし政治顧問にお越しいただけると伺っています。ご来賓の皆様方の日頃からの電機連合に対しますご指導とご厚誼に、組織を代表して御礼申し上げるとともに、改めて会場の皆さんの盛大な拍手で御礼に代えさせていただきたいと思います。本日は大変ありがとうございます。

 昨年は自然災害が大変多く発生いたしました。全国には、今もなお大変苦労されている被災者の方々が多くいらっしゃいます。改めてお見舞い申し上げますとともに、復旧・復興と一日も早く平常の生活を取り戻されますことをお祈り申し上げます。

 さて、今年の干支は「庚子(かのえ・ね)」です。「庚(かのえ)」は、草木の成長が終わった状態を表し、「子(ね)」は、芽が出始めようとしている状態を表すそうです。その「庚」と「子」が60年に一度重なる2020年が意味するのは、「これまでを振り返りつつ、今後進むべき『道』を長期的視点で計画する年」だということ。10年後に振り返ったとき、2020年がその出発点になっていた、ということなのだろうと思います。

 今年の干支が示すように、労働組合の存在意義や運動の在り方について、これまでとこれからを考えることが大事な年になると思います。2020年闘争も、現状の課題を解決し、次につながる闘争にしていきたいと思っております。闘争方針に関わる具体的な提案は明日、書記長からさせていただきますので、私からは「取り巻く環境認識」と「2020年闘争に対する思い」について、このあと申し上げさせていただきます。

1.新加盟組合を歓迎

 まず、第1号議案の加盟組合承認等に関する件では、本中央委員会で新しく「S&Sエンジニアリング労働組合」「遠藤科学労働組合」「米沢電線労働組合」「エルナープリンテッドサーキット労働組合」の皆さんに電機連合本部に直加盟していただくことになっています。また、オムロングループ労働組合連合会の構成組合だった「アドバンテックテクノロジーズ労働組合」が電機連合への単独直加盟となります。皆さんと共に、加盟を心から歓迎し、今後のご活躍をご祈念申し上げ、大きな拍手を送りたいと思います。よろしくお願いいたします。

 また、一括加盟組織においても多くの仲間が加わったことをご報告しておきます。昨年の第67回定期大会以降では、新規加盟組織による増加人員は352名となりました。組織拡大にご尽力された関係者の皆さんには、心から御礼申し上げます。一方で、事業構造改革や組織の都合などの理由での脱退、および人員変動を加味しますと、組合員総数で1,356名の減少となっています。その結果、電機連合の加盟組織数、構成組合数は228組織、628組合、実在組合員数は572,375名となっていることを報告しておきます。

 組織拡大は仲間づくりであり、働くことの尊厳や権利を守るための取り組みであります。労働条件の改善も組織化をしないとなかなか前には進みません。構成組織・地協の皆さんには、組織拡大を労働運動の柱の一つに位置付けていただき、電機連合の総力を結集した取り組みとして強化をしていきたいと思います。

2.私たちを取り巻く環境認識について(3点)

(1)世界情勢について

 次に、私たちを取り巻く環境認識について3点申し上げます。1点目は「世界では、ますます不確実性が高まっている」ということについてです。地球温暖化などの深刻化する環境問題の解決や、デジタル技術の進展に伴う経済社会の急速な変化への対応、移民・難民問題への対応は、世界共通の課題となっています。また「自国最優先の保護主義」「国際的な合意形成機能の低下」「分断社会」の進行に大きな懸念を覚えます。米中貿易摩擦の長期化や情報に関する覇権争い、アメリカとイランや北朝鮮の緊張関係、イギリスのEU離脱に関する交渉の動向など、世界情勢はますます不確実性が高まっています。

(2)日本社会の情勢について

 2点目は「日本は持続可能な社会を再構築する必要がある」ということです。我が国は現在、多くの課題を抱えています。「多発する自然災害への対策」「環境問題とエネルギー政策」「世界の緊張感が高まる中での安全保障の問題」「第4次産業革命を取り込んだ日本の成長戦略」「国家戦略としての人材育成」「デジタル社会の到来で懸念される二極化への対応」「日本の財政の健全化」など、どれも国民にとってとても大事なテーマであり、これらの課題解決にむけた政治のリーダーシップが求められています。

 さらに、世界に先駆けて進行する人口減少・超少子高齢化、そして生産年齢人口が減少する中で、持続可能な社会保障制度の再構築は先送りできない課題です。日本の給付と負担の現状を申し上げると、2019年度の給付総額は約123.7兆円です。その負担は、保険料で約71.5兆円、税金で約48.8兆円、資産運用などの約3.4兆円でまかなわれています。厚生労働省の発表によると、2040年には給付総額が約190兆円に増加、つまり20年間で約70兆円も増える見込みです。社会保障制度は国民と国との共同事業と言っても過言ではありません。今国会では、年金制度の改正法案が提出される予定と聞いていますが、年金制度は、私たちの将来不安の払拭にとって最も大事な制度であり、大いなる関心を持って論議に注目したいと思います。

 加えて、持続可能な社会の再構築には、社会全体の生産性向上が必須です。しかしそれは、能率や効率に偏重したものではなく、人間性を基礎とした生産性運動の精神と理念を重視したものでなくてはなりません。
 生産性運動の理念とは何か。1959年の3月、ヨーロッパ生産性本部ローマ会議報告書によると、「生産性とは、何よりも精神の状態であり、現存するものの進歩、あるいは不断の改善をめざす精神状態である。それは、今日は昨日よりもより良くなし得るという確信であり、さらに、明日は今日に優るという確信である。それは、現状がいかに優れたものと思われ、事実また優れていようとも、かかる現状に対する改善の意志である。それはまた、条件の変化に経済社会生活を不断に適応させていくことであり、新しい技術と新しい方法を応用せんとする不断の努力であり、人間の進歩に対する信念である」。
 とりわけ「生産性運動3原則」を、日本社会全体が共有する価値観として浸透させる取り組みが必要と考えています。

 また、「生産性運動3原則」ができた1955年当時とは環境も大きく変化しており、その補強も必要と考えています。「雇用の維持・拡大」については、「労働力の質的向上」や「働きがい」といった視点を重視する必要があります。また、第4次産業革命や人生100年時代を想定した働き方や雇用の在り方など、社会全体の問題にも備えなくてはなりません。「労使の協力・協議」については、まずは労使の信頼関係づくりが大事です。また、労働組合も働く仲間を増やす必要があります。その上で、企業のグローバル経営、グループ連結経営に対応した労使協議や、産業レベルでの労使協議、さらにテーマによっては政労使による協議の場の創設なども必要になると思います。「成果の公正分配」については、個人消費に支えられた強固な日本経済基盤を確立するためにも、労働分配率の向上や、働き方も含めサプライチェーン全体で生み出された付加価値の適正分配について具現化が必要です。

(3)第4次産業革命について

 3点目は「第4次産業革命について」であります。電機連合加盟組合の上場企業の2019年度業績見通しは、米中貿易摩擦の影響などもあり全体では減収減益の見通しとなっています。しかし、Society5.0の実現に向けた5Gなどへの投資促進により、好業績を見込む企業もあり、企業業績はまだら模様の状況と言えます。

 今後はIoTやビッグデータ、AI、ロボティクスなどの技術革新が加速度的に進んでいくと考えています。これらを、電機産業は言うに及ばず、日本経済や社会の発展につなげなくてはなりません。そして電機産業がその重要な位置付けの産業となるものと思っています。

 また、すべてではないにしても、働く場所や時間にとらわれない働き方が、より簡単にできるようになり、「テレワーク」「在宅勤務」「クラウドワーキング」などの働き方が普及してくると思われます。これら働き方の多様化をワーク・ライフ・バランスの実現、多様な人材が活躍する社会の実現につなげなくてはなりません。しかし、第4次産業革命における最も大きな変化は、すべての働く人にスキルチェンジが求められることだと思います。

 電機連合では、これらの課題に受け身ではなく、むしろ主体性を持って取り組みたい、との思いで、既に第7次産業政策を確立しました。今後、各労使においても取り組みが進むことが想定されます。労使協議における基本スタンスも記載していますので、ぜひご活用いただきたいと思います。

3.2020年闘争について(2点)

(1)2020年闘争の意義について

 次に、2020年闘争について2点申し上げます。1点目は「2020年闘争の意義」についてです。2020年闘争の意義は「『生活不安、雇用不安、将来不安』の払拭」と「すべての労働者がいきいきと働ける環境」をめざし、継続した「人への投資」に取り組む、と位置づけます。「春闘」という仕組みを最大限に活かし、すべての労働者の生活の維持・向上のため労働条件の改善に取り組み、そして社会的課題の解決に向けても、その役割と責任を果たす闘争にしていかねばならないと考えています。

 これまでの6年間、連続して賃上げを実施してきました。しかし日本社会全体を見ますと、可処分所得は上向きつつあるものの、リーマンショック前の水準には戻っていません。また実質賃金はマイナスが続いています。そして、労働分配率は中長期的に低下しており、生活水準の維持向上を図るためにも、継続した賃上げは必須です。

 昨年訪問したドイツのIGメタルとの協議では、社会全体の産業構造の転換に政労使が主体的に取り組む姿を見ました。また中国における中華全国総工会との協議では、イノベーションを起こす組織風土や人間大事の取り組み姿勢に驚きました。そして、「日本も頑張らないと!」と素直にそう思いました。変化にひるまない、働く人一人ひとりのモチベーションを上げ、挑戦心や闘争心を引き出し、前向きに取り組む姿勢を引き出すことが、今の日本や電機産業にはとても大事だと感じました。

 日本という国は、一人ひとりの懸命な働きによって成り立っています。成長の原動力はまさに「人材」であり、「人」を大事にした日本的経営の意義を再確認する必要があります。すべての働く人たちの「働くことの尊厳」や「豊かに働く」ことをもっと大事に考える必要があります。「人を活かし、人が活きる」社会、企業、職場にしていかねばなりません。そのための「人への投資」であります。

 世界情勢はより不確実性を高めており、このことがどのように日本社会や企業経営に影響が出てくるのか、予断を許さない状況です。だからこそ、継続した賃上げに積極的に取り組むことで、個人消費の腰折れを起こさず、むしろ個人消費の拡大を図り、内需に支えられた日本の経済基盤を構築しなければなりません。

 また、2020年闘争は2年に一度の労働協約改定年の闘争でもあります。いきいきと働くことのできる環境を整備することは、働きがいとモチベーションを高めるのみならず、電機産業の魅力を高め、優秀な人材の確保にもつながると考えています。また、人生100年時代を見据え、エイジフリー社会の実現に向けた政策も提起しますのでよろしくお願いします。

(2)統一闘争の強化について

 2点目は統一闘争の強化についてです。6年前に実施した統一闘争強化プロジェクトでは、「電機連合統一闘争」を、お互いの違いを認め合いながら、労働条件の維持向上と波及効果の最大化を目指すものと位置付け、統一闘争の考え方や進め方の再整理を行いました。それにより、統一闘争として取り組む2つの領域として「何としても守るべき領域」と「各組合が業績や処遇実態をふまえ、主体的に取り組む領域」を設定しました。そして、目指すべき水準を「政策指標」として示し、自らの立ち位置を確認できる指標として「ベンチマーク指標」を設定することとしました。加えて、中期的視点に立って格差是正を含む労働条件の改善に取り組むため、それぞれ個別の組合が独自の「達成プログラム」を策定し、中長期的に取り組むことを提起しました。

 そして、この6年間の結果、皆さんの懸命な取り組みによって、継続した賃上げができ、波及効果の拡大ができました。ただ一方で、賃上げができていない組合や、格差是正の取り組みが進んでいない組合もあります。統一闘争としての強い結束のもと、一層の強化が必要であると考えています。

 2019年闘争の評価と課題において確認いただいている通り、統一闘争の目的である「労働条件の維持・向上」と「波及効果の最大化」を堅持しつつ、「人への投資の柔軟性」をいかに実現していくかについて、中闘組合代表者・拡大中闘代表者を中心に論議を行ってきました。論議経過を踏まえ、統一闘争を堅持し賃金水準の改善を基本としつつも、一定の条件を満たす場合に限り、妥結における柔軟性を認めることがあることとしたいと思います。

4.共済について

 次に共済について触れさせていただきます。共済もまさしく個人ができる将来不安の払拭への取り組みの一つです。ぜひこの時期に共済の意義などについて組合員に周知する機会にしていただきたいと考えます。また、昨年10月開催の福祉共済センター理事会・評議員会において、中長期加入目標40%に向けての具現化を確認しています。それぞれの組織において、実態把握・分析と計画立案を進めていただくようお願いします。

 無保障者をなくすためには新入組合員対策の強化が必要です。2月に配布予定の「共済加入促進マニュアル」を活用し、新入社員・新入組合員への共済説明会・研修会の開催をお願いします。

 また、フレッシャーズプラン一律加入タイプについては、現在35の組織で導入され、10数組織で導入準備中です。一律加入タイプはご承知の通り、新入組合員全員の加入を組織決定することにより個人の告知を問わず加入できます。導入組合からは、「持病のある新入組合員から、これまで保険や共済に一切加入できなかったが、初めて共済に加入でき、同期と同じスタートラインに立てた」という感謝の声が寄せられています。まさに、助け合いの運動としての共済の取り組みの強化をお願いします。

5.政策・制度実現の取り組みについて

 次に、総合労働条件改善闘争の両輪となる「政策・制度実現の取り組み」について触れたいと思います。企業労使の取り組み領域を超えた電機産業全体に関わる課題、および社会全体に関わる課題の解決に向けた政策・制度要求実現の取り組みの重要性が増しています。1月20日開会の第201回通常国会では、「2020年度予算」「税制改正」「年金」「介護」「雇用保険」など、働く者の暮らしに直結する重要な法案の審議が予定されています。対応にあたっては、連合と連携を図りながら取り組んでまいります。加えて、闘争期間中の産別労使交渉などを活用して、政策・制度課題の共有に取り組みたいと思います。

 また、電機産業における「付加価値の適正循環の取り組み」として、とりわけ公正取引実現に向けた取り組みを行ってまいります。この取り組みは、日本社会全体の取り組みとして進みつつあるものの、受注側・発注側での意識の差や、短納期発注、契約段階でのあいまいな仕様による後工程へのしわ寄せなど、まだまだ課題があるのも事実す。各労使における取り組みをお願いするとともに、政策協議の場で、官民含めた公正取引の実現に向けた論議を進めてまいりたいと思います。

6.第25回参議院選挙の「評価と課題」

 最後に、昨年7月に開催された第25回参議院議員選挙の「評価と課題」について申し上げます。2018年1月開催の中央委員会、まさに2年前のこの時期この場所で「石上としお」さんを組織内候補として決定し、現職として2期目の挑戦を組織の総力を結集して取り組みました。その結果、192,586票を獲得し、1期目から約4万票を積み上げたものの、組織目標としていた30万票には遠く及ばず、国民民主党比例獲得議席3議席に対して、第4位であり惜敗となりました。票に込められた一人ひとりの支援者の思いを国政につなぐことができなかったことを、深く深く反省するとともに、まずは心よりお詫びを申し上げます。

 そして何よりも、大変厳しい選挙戦を積極的に取り組んでいただきました加盟組織、地協、議員団、OB・OG、その他関係団体の皆様に厚く感謝を申し上げます。

 今回の「評価と課題」は、大いなる反省のもと、「次につながる総括」にしたいとの強い思いで、選挙後に実施した「組合員対象アンケート」「秋季組織強化期間中に届けていただいた加盟組織・地協からの意見」、また「各地域ブロックへのヒアリング」などを踏まえ、まとめたものです。

 具体的な内容は後ほどの提案に委ねたいと思いますが、民主政治の危機が叫ばれる中、有権者として、労働組合として、行動を起こすことが求められている時代だと思います。「アンケート」で明らかになった組合員の政治意識や投票行動は、現場で起きている事実です。その事実・変化に素直な心で向き合い、感じたことを基点として、組織力の向上さらには、労働運動としての政治の取り組みを再強化したいと思いますので、よろしくお願いします。

 また、石上としおさんにおかれましては、これまで私たちの代表・代弁者として国会の場で電機産業の発展と働く者の幸せの向上に尽力され、多大なる功績を残されました。本中央委員会の第3号議案として、名誉顧問の委嘱を提案いたします。

7.政党合流問題に対する当面の見解

 せっかくの機会ですので、政党合流問題に対する当面の見解を述べたいと思います。まず、組合員の意識実態、投票行動の実態を踏まえて素直に感じることは、政治に対する関心が希薄化しており「なぜ労働組合が政治に取り組むのか?」に対する理解を高める必要があること。また、国民民主党の支持率が上がらない中で「なぜ労働組合、電機連合は国民民主党を支持するのか?」という組合員の問いに対して、しっかりと説明責任を果たすことが必要です。組合員は一人ひとりの自立した個人です。共感を呼び、共鳴していただけるものがなければ、政治活動に求心力は生まれないと考えています。

 先の参議院議員選挙の投票率48.8%の意味は何なのか? それは、民主政治の危機が叫ばれるなかで、日本の政治に対する無関心の現れだと思います。大事な選挙なのに、有権者の半数以上が投票に行っていない。見方を変えれば、期待をする政党や候補者がなく、投票に行かなかった有権者も多数いたと思います。もちろんその責任が、政党や候補者にのみあるとは思っていませんが、国民参加の民主政治の在り方を私たちは、真剣に考えなくてはならないのではないでしょうか。

 さて、合流問題についてであります。既に結果はご存知の通りであります。この間、玉木代表、平野幹事長、矢田わか子・浅野さとし両政治顧問とも連携を密に意見交換などを進めてまいりました。まずは、玉木代表、平野幹事長の電機連合に対します丁寧な対応と立憲民主党との真摯な協議に敬意を払いたいと思います。その上でこれまで私は、「大義なき合流では、組合員はもとより国民からの共感は全く得られない。単なる数合わせの合流では、後からボロが出ますし、そうなれば取り返しがつかなくなる」という危機感を訴えてきました。そういった意味では、1月20日に開催された国民民主党内における両院議員総会での判断は、共感できるものと考えます。

 これからどうするのか? 国民民主党には、まずは既に始まっている国会に専念し、改革中道として、その責任を果たしていただきたいと思います。国民との間の信頼を築き上げる重要な時です。ぜひ、国民生活の向上に向けた現実的で建設的な論議を通じて、存在意義を示していただきたいと思います。

  「合流問題」の協議については、枝野代表も言葉にされているようですが、「それぞれ別の党として最大限連携し、将来連立政権を組むことで問題はない」という考え方も含め、じっくり論議してほしいと思います。組合員・国民が共感できる大義がないといけないと思います。

 また、いずれ来る政権選択選挙にも備えなくてはなりません。世界で進む分断社会を対岸の火事にしてはならず、むしろ教訓とすべきだと思っています。国民の多様化する価値観やいろいろな意見を、対立ではなく、いかにまとめあげて、国として進むべき方向を決めるのかが大切であり、そのために何が必要なのかを考えなくてはならない。与野党含め日本の統治機構としてどうあるべきなのか、本質的な論議が起きることを期待したいと思います。

むすび

 令和の時代になって、初めての総合労働条件改善闘争です。2020年闘争に対する組合員の期待に応えるためにも、電機連合統一闘争としての役割と責任を果たしてまいりたいと思います。

 時間の関係で触れることができなかった課題や、説明が足りなかったこともあるかと思いますが、中央委員の皆さんの真摯で活発な議論をお願いし、本部を代表してのあいさつとさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。