謹んで新春のお喜びを申し上げます。
今年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防のため帰省を控えるなど、例年とは異なる過ごし方をされた方が多くいらっしゃることと思います。 世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスは私たちの生活や経済に甚大な影響を及ぼし、世界は深く傷つきました。 感染者数は12月初旬に世界で6400万人、日本では15万人を超え、残念ながらお亡くなりになられた方が世界で約150万人を数え、経済は大恐慌以来の最悪の状態に陥りました。 いまだに終息の兆しが見えず、不安な日々が続いていますが、一日も早く安心して生活できる日が訪れることを願うばかりです。
世界は今、大きな転換期を迎えています。 大国の対立や自国優先主義などにより世界情勢は不安定さを増しています。新型コロナウイルスによる経済・社会への打撃のみならず、貧困や環境問題など深刻な課題が山積している状況にあります。また、デジタル革命が社会に急速な変化をもたらし、今後もその流れが一層加速していくものと思われます。
日本においては、世界に類のない超少子高齢化の進行、人口減少社会、社会保障制度の持続可能性の懸念などの構造的課題に加え、新型コロナウイルスの感染拡大により社会システム、セーフティーネットの脆弱さが露呈するなど、私たちを取り巻く環境は厳しく、激動の時代を迎えています。
これまでの概念や価値観が一変し、経済や社会、そして私たちの暮らし方、働き方が大きく変わろうとしています。いかなる状況下においても、私たち労働組合は「人」を中心に据えて、新たな生活様式、雇用の維持、多様な働き方の環境整備など安心して暮らし、働ける社会の構築に向けた取り組みを一層強化していかなくてはなりません。
コロナ禍で対面型のコミュニケーションの場が限られていますが、その一方でオンラインシステムを活用するなどコミュニケーションの選択肢が増え、利便性や機動性が高まりました。電機連合に集う加盟組織、地協、組合員の皆さんとの接点を強化し、時代の転換期を乗り越えていきたいと考えています。
新型コロナウイルスの一刻も早い終息と安心・安全な生活が戻ることを願うとともに、2021年が皆様にとって、実り多い一年になることをご祈念申し上げ、新春のご挨拶とさせていただきます。
電機連合 中央執行委員長 神保 政史