
三菱電機労連 高橋 洋
今回、実行委員として初めて本企画に参加しました。長いようで短い、大変充実した6日間を過ごすことができました。
陸前高田市に訪れるのは震災が発生した年の8月に訪れて以来ちょうど5年ぶりです。5年前、自分の目の前にあった光景は、大破した乗用車や瓦礫の山、津波被害が生々しい建物、ヘドロ混じりの海水が地盤沈下した土地の至る所に溜まったままになっている、まさに凄惨な風景でした。
今回訪れてみるとこうした震災の爪痕はかなり片付いているものの、まず目についたのは内陸まで続くうず高い盛土の山でした。以前は国道を下ってくると遠くに見えていた海が、5年たった今はまったく見えない、この光景の変貌ぶりに強烈な印象を受けました。
本活動は参加者への防災意識を高めるとともに、高田松原再生活動・大石町の動く七夕祭りの山車引きなど、地元との交流を軸とした活動でした。
三菱電機労組としても、単組の取り組みとして福島県南相馬市に対するボランティア活動を行っています。原発事故により長らく避難指示区域に指定されていた地域に対する復興支援活動ですが、現地の声を参加者に直接聞いてもらうことの重要性を痛感しつつも実際にはそのような場は限定的です。
一方で、今回の陸前高田における取り組みは、まさに地域との一体となりながら様々な活動する大変貴重な場を提供しています。こうした地域との関係も一夜にしてできたものではなく、3年間継続して現地との信頼関係が深めていったことの帰結であり、これまで本企画を継続してきた事務局のご労苦に敬意を表したいと思います。
また、気仙大工伝承館の武蔵さん・陸前高田市の戸羽市長、八木澤商店の河野会長など色々な方々の講話をいただきました。それぞれ壮絶な体験をされているにも関わらず、総じて言われていたことは、この町がどうかということよりも、自分自身が同じような目に合わないようにすることが大切というお話をされていました。
こうした声を自らの胆に銘じ、だれもが同じ思いをさせないために、防災意識を風化させることなく周囲にも伝え続けていきたいと強く感じました。
最後に、陸前高田のみなさん、参加者のみなさん、実行委員・電機連合事務局、地球緑化センター事務局のみなさん、すべてのみなさんに感謝したいと思います。ありがとうございます。また、お会いしましょう!