山田　佐智生

～被災地と心をつなぐ活動～　それには、「継続」が最も重要だ。　
初めて訪れた陸前高田市。そこには震災直後のような無残な光景はほとんどなかった。元は市街地だったと思わせるような光景もなかった。ただただ、高さ12.5mもの巨大な防波堤建設と盛土による街（？）全体の底上げ工事がひたすら進められているだけである。ここに人が戻り、賑やかな商店街が建ち並ぶのは果たして何年先になるのだろうか・・・それが私の率直な感想だ。

大石公民館、とても明るく元気な大石まつり組のみなさんが我々を温かく迎え入れてくれた。初回から参加されている方々の話では、最初からそうでは無かったと言う。どこのどんな組織体なのかも知らない電機連合。一回限りの偽善者集団だと思われていたのだろう。そんな大石の人たちも今は違う。３年間変わらず訪れ、一緒に七夕まつりを盛り上げてきたことで築き上げられた信頼関係なのだろう。

余談だが、私の地元の祭りは40～60代の壮年会メンバーが中心であり、喜んで参加したがる青年層は皆無だ。大石の山車の中で汗まみれになりながら、本当に楽しそうに太鼓を叩く若者の顔が忘れられない。震災後、県外に働きに出ているある若者が私に語ってくれた。「この祭りがとても好き。毎年、この日に合わせて有休を取り、必ず帰ってきている」と。この街の復興のために、彼らの笑顔を絶やしてはいけない。動く七夕まつりの山車引きには多くの人手が不可欠であり、残っている大石の人達だけで、この山車は絶対に動かない。今、電機連合がここから手を引くわけにはいかない。　～継続は力なり～