震災から6年、東北地方には2年ほど前に訪れた宮城県南三陸町以来、2度目となりました。南三陸町では、短い滞在期間であったことと悪天候が重なり、残念ながらボランティア活動はできませんでした。ですから今回訪れた陸前高田市での電機連合・第4次東北ボランティアは、これまでの人生の中でボランティア活動への参加自体が初めてとなり、貴重な経験をさせていただいた6日間となりました。今、振り返ると、当初このお話をいただいた時は、「ボランティア活動を経験したい」という思いの反面、夏期休暇の直前で、期間が6日間であるという点で、正直なところ即答ができませんでした。実際、参加申込みを躊躇していたところ、所属労組の力強い後押しと、職場の皆様からも「なかなか経験することではないので良い機会では?」という暖かい言葉をいただき決心がつきました。
陸前高田市での電機連合のボランティア活動について、これまで参加した方からのお話は伺っていましたが、「人から聞く情報」と「現地で、自分の目や耳で得た情報」とでは、差が生じることをあらためて感じました。このボランティアへの参加にあたり、昨今、各地で起きている自然災害を振り返り「今、東北なんだ?他にも行く所があるんじゃないの?」と言った意見を職場でも耳にしました。実際、土地の嵩上げの状態、その作業のための重機や大型トラックの行き交いを目の当たりにすると、復興にはまだまだ時間がかかるだろうなという印象を受けました。また、震災遺構である、「気仙中学校」「奇跡の一本松」「タピック45」を訪れ、当時の様子を伺うと災害の破壊力のすさまじさを感じることができました。「奇跡の一本松」だけを残し、約70,000本もの松が津波で流された高田松原の再生にむけ、本年より植樹が始まりました。今回の作業はその苗木畑の草刈りと植樹された松苗を強風から守るための竹簾作りでしたが、次回は、植樹のお手伝いができたらと思いました。
自分自身も知らないことが多いという気づきもありました。例えば景勝地であった高田松原は見たことがありませんでしたし、東北地方の七夕まつりは有名ということは何となく聞いたことがある程度でした。毎年飾り付けを変えているという山車は、目の前で見ると大きさに驚き、さらにその中で太鼓や笛を鳴らしながら町を練り歩くのですが、上り坂と下り坂は本当に厳しかったです。そうそう経験できるものではないと本当に思いました。
5泊6日という滞在は長いようで短い、本当に充実した日々でした。今回参加した3分の1ぐらいの方がリピーターと聞きましたが、何となくその心意気がわかったような気がしました。自分にできることは経験したことを忘れないことだと思います。いろいろな方々の後押しで、一歩踏み出せたことを感謝いたします。
最後に、事務局・実行委員・地球緑化センター・参加者すべての皆様、無事に過ごすことができました。本当にありがとうございました。